パラレルリンク式鉛直免震 加振実験
2020年12月17日から23日にかけて、新しく開発している鉛直免震装置の加振実験を明治大学の振動台で実施しました。
新しく開発している免震装置は、パラレルリンク式のものです。パラレルメカニズムは機械分野などの他分野で古くから用いられています。例えば、工作機械や飛行機のフライトシミュレーターに用いられています。メカニズムの特徴としては、支える機構が並列で構成されていることにより、出力や運動精度が高いこと等が挙げられます。
パラレルメカニズムはこれまで建築分野で用いられることはあまりありませんでした。しかし、新しく開発しているパラレルリンク型鉛直免震装置は、このメカニズムを応用しています。メリットとしては、鉛直免震装置には通常必要である鉛直方向のスライドガイドが必要ないことが大きなものです。通常の鉛直免震装置は水平方向の動きには対応していないため、鉛直方向のみに動くような水平力に対して抵抗できる機構が必要です。一方、パラレルリンク式の装置では水平方向の動きに少し対応しているので、水平力に抵抗できる機構が必要ないと考えています。
振動台実験では、新しく開発している装置の免震効果について確認をしました。今回は縮小装置を4脚分製作し、上におもりを載せて振動させました。振動の種類としては、スイープ波や地震波などを使用しました。
実験結果としては、シリンダの摩擦抵抗が大きく、想定した免震効果が得られていません。今回の結果をもとに、シリンダの角度調整や関節の変更、高圧化などの改善を検討を行う予定です。
今後も、将来の実用化を目指して研究・開発を進めます。
執筆:小川