E-ディフェンス(防災科学技術研究所)訪問
10月19日から21日にかけて、鉛直免震に関する実験のため、国立研究開発法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センターを訪問しました。
建築構造研究室では鉛直免震に関する研究に取り組んでいます。その中の3次元免震とダンパー開発の実験を行いました。3次元免震についてはパラレルリンク機構と呼んでいる鉛直免震システムの加振試験を行いました。一方、ダンパー開発については回転慣性磁気ダンパーの性能確認試験を行いました。
これらの実験結果をもとに、今後卒業論文や日本建築学会大会投稿論文の執筆を進める予定です。
国立研究開発法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センターには実大三次元震動破壊実験施設があり、「E-ディフェンス」という愛称がつけられています。構造物の破壊過程を調べるために作られたE-ディフェンスは、実物大の構造物を破壊するための性能を持っています。E-ディフェンスでの実験以外には実物大の構造物が壊れる過程を調べる方法はほとんどないため、これがE-ディフェンスを利用する大きなメリットであると言えます。
例えば、戸建て2棟などの実大規模の建物に対して、兵庫県南部地震クラスの地震の揺れを3次元で発生させる(再現する)ことにより、その揺れや損傷の過程などを見ることができます。E-ディフェンスはこのように耐震性向上にかかわる研究の検証施設としての役割を果たしています。
この施設の心臓部である振動台の裏側や、周辺の関連設備について案内していただきました。普段は見ることのできない場所を特別に見学させていただく機会を設けていただき、貴重な経験をすることができました。ありがとうございました。
防災科学技術研究所の皆様には、共同研究を行っている関係で、これからも大変お世話になると思います。
今後もよろしくお願いします!
執筆:小川