発泡ドーム実験 実施報告

2022年4月19日(火)から2週間にわたり、発泡ポリスチレンを用いたドームハウスおよびT型梁の構造性能試験を明治大学生田キャンパスにて実施しました。
発泡ポリスチレンが持つ特徴には軽量かつ断熱性や施工性にも優れるといった点があります。そのため、多雪地域を中心に建設されてきています。

門型フレームの全体像
測定器具設置の様子
T型梁の載荷実験
逆T型梁の載荷実験
載荷によるたわみの様子

本実験はジャパンドームハウス株式会社さんと協力し行いました。ジャパンドームハウス製の4m幅発泡ハウスの応用的な使用を目的として、門型フレームの構造実験とリブ補強されたT型梁の構造性能実験よって、解析モデルの妥当性の検証を行っています。

実験にあたって事前準備として、解析を行っていました。その結果と比較して、概ね想定通りの結果が得られたと思います。
(実験の動画も撮影・編集を行いました。興味がある学生は研究室へお訪ねください。)

本実験は明治大学で所有している試験機を使用せず、鉄骨のフレームから設計して実施しました。
数あるH型鋼も測定器の設置場所を考慮して計画的に配置されています。
T型梁が高所での加力試験となっているのは妥協点の一つでありました。実際、高所での変位計を取り付ける作業は緊張しました。これも良い経験です。
また、大学では油圧式の試験機もありますが、今回は人力によって載荷を行いました。執筆者は行っていないのですが経験者によると、荷重変位関係のグラフで形状が寝てくるとポンプも重たくなってくるそうです。

学生らによる設置の様子
載荷の様子

実験は大学生の醍醐味とも言えると思います。
研究室で扱っている研究内容から外れたものでしたが、研究室の学生の多くがこの実験を通して、変位計や測定器、計測ソフトなどの使い方を学ぶこともできました。

最後に、発泡ドームに関する実験は企業の関係者の方々の協力もあって無事終了することができました。
ご協力ありがとうございました!
発泡ポリスチレンという新素材の実験という貴重な体験でした。また数年後に発泡ポリスチレンを用いた実台実験が行えることを願っています。

集合写真

執筆:藤生・アオキ