振動台実験ーパラレルリンクー

パラレルリンクはアキュムレーターを用いて機構を構成する6本のシリンダの圧力を調節し、3次元免震をするという仕組みになっています。1日目はこのパラレルリンクを使って静的実験を行いました。静的実験と聞くと静的なのであまり激しくない実験を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、今回行った静的実験はその名前から想像するのは難しい200kgを超えるおもりを3人の屈強な男達が全力で動かすという内容になっていました。この静的実験によってパラレルリンクの変位や油圧などを調べて静的力学特性を調べることができました。実験を手伝ってくださった方々、本当にありがとうございました。

実験を見つめる筆者

1日目の静的実験が無事に終了したので2日目には振動台を動かして動的実験を行いました。こちらは静的実験とは違って振動台を使ってパラレルリンクを動かすのでパラレルリンクが容赦なく揺らされていて静的実験とはまた違った迫力がありました。地震波は新潟や熊本のものを使い、鉛直地震動に対する免震効果を重点的に調べました。実は今回の実験の前の7月にも動作確認を含めた動的実験を行っていたのですが、その時にはパラレルリンクがはしゃぎすぎてしまいシリンダから2MPaの勢いで油が噴き出し、その後のことはご想像にお任せしますが、油との絆を深めることができました。今回はパラレルリンクのシリンダに重りが当たらないように改造したこともあり、そのようなサプライズは起きなかったのですが、常に予想外なことを起こしてくれるパラレルリンク君には油断ができないので、その動向を注意して観察しつつ、より良い機構を目指していきたいです。最後になりますが、富澤先生や山田さんをはじめ今回の実験を手伝ってくれた方々、本当にありがとうございました。自分の力だけでは実験をすることすらできませんでした。また11月末にも実験が控えていますのでその時にもどうぞよろしくお願いいたします。

執筆:加藤