油圧シリンダ単体の1軸圧縮試験

筆者の研究対象である3次元免震システムの懸架型パラレルリンク機構に使用されている、油圧シリンダの特性把握を目的に1軸圧縮試験を行いました。試験の実施に際して動的アクチュエータが必要となりますが、構造物試験棟に設置されているアクチュエータは加振力が大きすぎるという問題がありました。そこで、機械情報工学科の松岡先生にご協力いただいて試験棟のものより小さい、加振力±20kNのアクチュエータをお借りしました。(松岡先生ありがとうございました!)

本試験に使用したアクチュエータ

アクチュエータに油圧シリンダを接続し、事前に作成した試験計画書の手順に沿って試験を実施しました。機構に用いる油圧シリンダ6本それぞれに対し、振動数4種類、窒素ガスの圧力が3種類の計12パターンの正弦波加振を行いました。(窒素ガスはアキュムレータと呼ばれる蓄圧気のようなものに充填しています。興味があれば調べてみてください。)加えて、固有値の探索や最大負荷を再現したパターンなど、パラメータを都度変更した加振を行い最終的に計120個のデータを収録することが出来ました。

筆者は、試験で得られたデータを基に油圧シリンダの摩擦や減衰、剛性を求めた後、解析を行います。そして、9月に行った別の実験(機構の加振実験)と、紹介した1軸試験の結果から地震応答解析へと卒業論文を進めていきます。

記事を執筆している今現在(11月1日)は、卒論提出まで3か月程となっており、B4のメンバーも皆、各々作業を進めております。M1, M2の先輩方に比べたらまだまだ楽だと思うので弱音を吐かずに作業を進めていきましょう。

試験の様子

筆者 原