B4アイス棒タワーコンテスト
【アイス棒タワー作製編】
毎年恒例のイベントである「アイス棒コンテスト」が今年も開催されました。
本コンテストでは、接着剤を使用せず、アイス棒のみを用いて振動に耐えられるタワーを製作します。限られた材料と条件の中で構造を工夫する必要があり、構造設計の知識と発想力が試されるイベントです。
本格的な製作を開始したのは5月13日でした。約2週間後に予定されていたコンセプト発表で完成品をお披露目することを目標にチーム全員で協力して作業を進めました。



製作にあたっては、まず部材の形状を設計し、そのデータをもとにレーザーカッターを用いてアイス棒を加工しました。レーザー加工を活用することで、設計した形状を高い精度で再現することができ、効率的に部材を準備することができました。設計した図面が実際の部材となり、徐々にタワーの形になっていく様子は興味深いものでした。
また、接着剤を使用できないため、部材同士の組み方や力の伝達経路を考慮しながら組み立てる必要がありました。製作途中には強度不足や組立て方法に関する課題もありましたが、その都度メンバー同士で意見を出し合いながら改善を重ねました。
【コンセプト発表編】
アイス棒コンテストでは、タワーの製作だけでなく、各チームが考案した構造コンセプトの発表も行われます。今年は3チームがエントリーし、それぞれ独自の発想を取り入れたアイス棒タワーを製作しました。
本コンテストの評価項目は、振動に対する性能を評価する「耐震性」だけではなく、構造や美しさを評価する「意匠性」、そして使用する材料数を評価する「環境性」も重要な評価基準となっています。そのため、各チームは単に強いタワーを目指すだけでなく、それぞれの視点から特徴的な構造を提案しました。



1つ目のチームは、タワーを二重構造とし、その間に摩擦ダンパーを設けることで振動エネルギーを吸収し、揺れ方を制御する構造を提案しました。外塔と内塔が相互に作用することで、地震時の応答低減を目指した設計となっています。
2つ目のチームは、2本のタワーを連結し、回転機構を利用して変形を制御する構造を考案しました。回転によって地震エネルギーを逃がすことを目指したコンセプトが特徴です。
3つ目のチームは、タワー頂部にTMD(Tuned Mass Damper)を設置し、振動を低減する構造を提案しました。実際の高層建築物にも用いられている制振技術を取り入れた設計であり、コンテストの中でも特に実用性を感じる構造となっていました。



発表では、それぞれのチームが設計の狙いや期待する効果について説明し、質疑応答が行われました。同じ条件の中でも全く異なるアイデアが生まれており、構造設計の奥深さと面白さを感じることのできる発表会となりました。
【木フレーム製作編】
アイス棒コンテストに向けて、振動台にタワーを設置するための木フレームの製作を行いました。当日は朝9時に集合し、まずは木材の運搬作業からスタートしました。大きな木材を運ぶ作業は大変でしたが、全員で協力しながら準備を進めました。



木フレームの製作では、床部分を担当するチームと壁部分を担当するチームに分かれて作業を行いました。それぞれが図面を確認しながら組立てを進め、完成に向けて作業を分担しました。作業中には小さなトラブルもありましたが、その都度先輩方のアドバイスをいただきながら対応し、大きな問題なく作業を進めることができました。


2時を少し過ぎた頃に木フレームが無事完成しました。完成したフレームを見たときには達成感があり、加振実験に向けた準備が一つ形になったことを実感しました。

昼食には、昨年に引き続き先生にピザをご馳走していただきました。
今回の木フレーム製作は、B4にとって初めての大規模な共同作業でした。先輩方に助けていただきながらも、無事完成させることができました。
【加振編】
いよいよアイス棒コンテスト当日を迎えました。今年は台風の影響により、当初の予定から1日延期しての開催となりました。無事に完成したタワーを前に、これまでの製作の成果を発揮する時がやってきました。



加振実験は、まず小さな加速度による加振からスタートしました。製作期間中は「本当に振動に耐えられるのだろうか」「すぐに壊れてしまうのではないか」という不安もありましたが、実際に加振してみると、どのチームのタワーも安定した挙動を示し、まだ余裕がありそうな様子でした。設計や製作の段階で行った工夫がしっかり機能していることが感じられ、安心するとともに期待も高まりました。



その後はタワー頂部におもりを追加しながら加振を繰り返し、より厳しい条件で加振しました。また、各チームが他チームのタワーに対して「最も大きく揺れそうな振動数」を指定し、その条件で加振を行いました。どのチームも他のタワーの特徴を観察しながら予想を立てており、コンテストならではの駆け引きが見られました。
それぞれのタワーがコンセプトに沿った挙動を示していたことが特に印象的でした。二重構造と摩擦ダンパーを用いたタワー、回転機構を取り入れたタワー、TMDを搭載したタワーのいずれも、設計時に想定していた特徴的な揺れ方を確認することができました。図面や模型だけでは分からない実際の挙動を観察できたことは非常に貴重な経験でした。
今回のコンテストを通して、構造設計の面白さだけでなく、アイデアを形にし、それを実際に検証することの重要性を学ぶことができました。また、他チームの工夫や発想にも触れることができ、多くの刺激を受けた一日となりました。
執筆:上山

