アクアポニックスPJ(明治大学川島研・光永研合同)

株式会社AGRIKOからパートナーとして依頼された明治大学川島範久研究室から依頼を受け、アクアポニックスのフレームの構造についてお手伝いさせていただきました。

完成したアクアポニックス

アクアポニックスとは水耕栽培と魚の養殖を同時に行うシステムです。水耕栽培に使用した水を魚の水槽に流し、魚の水槽から水耕栽培に用いる水をくみ上げることを繰り返し、絶えず水を循環させる機構です。
設備については同大学の光永威彦研究室が監修しました。

上部の植物
水が流れる様子
水槽の魚(ティラピア)

私たち富澤研はアクアポニックスの装置を載せるフレームと魚を育てる水槽を載せる土台について構造的な視点から設計のお手伝いをさせていただきました。

建物よりも小さな規模の構造物ではありましたが、装置の積載荷重に耐えることができるかの確認と、フレームを躯体に見立てて地震力と風荷重について計算を行い転倒の可能性の確認を行いました。

ステンレスのL字アングル材やフラットバーを組み合わせて構築しました。より軽やかな見た目にすること、コストを削減すること、日常のメンテナンス等の利便性が良いこと、効率の良い架構となることを意識して安全なフレームを設計しました。

構造設計した架構全体

今回のプロジェクトは建物のような大きな規模の設計ではないものの、意匠的・設備的な要望、コストの観点や今後の拡大を見据えた施工性等も考慮して設計を行うという点でとても有意義な経験となりました。川島研、光永研、富澤研の得意分野を生かしつつ、学生が主体となりプロジェクトを進めたため構造的な知識を身に付けることのみならず、コミュニケーションやスケジューリング、チーム形成などのプロジェクトの進め方についても学ぶ機会となりました。

完成したアクアポニックスの設置風景

執筆:井上