シンポジウムにて登壇しました!(生体反応計測)

筆者が委員として所属している(一社)日本建築学会の「構造物の振動制御小委員会」主催のシンポジウムにて登壇しました。
テーマは「建築物振動制御性能の定量的評価とその評価指標」。内容は以下のとおり。
https://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2023/bk5020231222program.pdf

  1.趣旨説明
 【第一部】振動制御性能評価の国内外の動向
  2.JSCA性能設計【耐震性能編】について
 【第二部】振動制御性能評価の現状と課題
 ①ユーザーの観点から
  3.建築研究開発コンソーシアム研究会報告
 ②事例紹介
  4.東北工業大学10号館モニタリング
  5.生体反応計測を用いた揺れに対する不安度評価の試み
  6.カメラ画像を用いた地震時即時室内被害判定手法の開発
  7.地震疑似体験と不安度計測:耐震性能のつくり込み段階におけるアプローチ

筆者は5の「生体反応計測を用いた揺れに対する不安度評価の試み」という題目で、
生体計測技術を専門とする電気電子生命学科の健康医工学研究室との共同研究成果を発表しました。共同研究内容は以下をご参照ください。
グラッと地震が来たときの「不安」を可視化する:https://www.meiji-sdgs.jp/articles/efforts/1292/

本研究の最終目的は「生体反応計測を用いて地震動等の揺れに対する人の不安度を評価する」ことですが、
今回は、加速度振幅と振動数をパラメータとした単振動加振による揺れの不安度評価について発表しました。

登壇の様子と質疑討論の様子

筆者も含め、「不安」と名の付く講演が2つあったこともあると思いますが、そもそも「不安とはどのようなものか」について、様々なご意見をいただきました。
話題提供とはいえ、聴講者にはあまり馴染みのない内容だろうと、それこそ「不安」でしたが、会場は活発な議論により、とても有意義かつ貴重な場となりました。質疑に参加されたみなさまに御礼申し上げます。
それと同時に、地震時には、ハードウェアとしての構造安全性のみならず、室内空間の保持や建物の機能維持などのソフトウェア面、ひいては安心などのヒトの感情面まで、建築物に対する要求水準が高まってきているとともに様々な評価指標の存在を実感しました。
筆者の発表した成果は2024年2月の日本建築学会技術報告集にも掲載される予定ですので、発刊後はそちらも是非ご参照ください。

執筆:富澤 徹弥(教員)