2022年度 修士論文 口頭試問(発表者目線)

2023年2月17日(金)明治大学にて構造・材料分野の修士論文の口頭試問が行われました。

本研究室の1期生として、過去のノウハウの文字など全くない中で、各々が今までの発表会とは格別の緊張感を体感していたようです。
ある人は、いつもはハチャメチャ元気なのに、1週間前から胃の調子を悪くしてしまったり、
またある人は、普段は太陽が最高高さにこなければならないと起きれないのに、日の出と同時に目が覚めてしまったり,
そしてある人は、小中高12年間休むことを知らないにも関わらず、2日ほど前にお腹を壊したまま当日の朝まで大ピンチに陥ったり、、、
一方で、小田急が止まってて学校にたどり着けないかも、、と朝起きて焦ったり。
(まだエピソードあれば。笑)

ただ、これらの緊張も やってきたことに対する自信 と 1期生という見えないものへの不安
そして何よりも、よく見せたいという があってかと思います。

そんなこんなで口頭試問に向かったわけですが、発表直前は
気づいたら発表が始まってしまって、緊張など感じずに楽しんだ人、
前の発表者の落とし物のおかげで、緊張が和らいで自分なりの発表ができた人、
いつも通りに、安定してスマートにこなしていく人、
やっと順番が回ってきた自分の発表を目前として、緊張のボルテージが高まる人、 など様々でした。

発表内容については、後輩が記事を出してくれることを期待して、
せっかくなのでここでは、修了する現M2(1期生)のみなさんのコメントを記載しようかと思います。

修了するM2

研究活動においては、やりきったと言うよりは、力尽きたの方が正確のように感じます。
この3年間は研究内外で好き勝手にやらせてもらった。という印象が強く、やりたいこと・やってみたいことに対する先生や同期のフォローや後押しはデカかったです。
この先も研究室全体として「新しさ」は追求していってほしいですね、
青木

卒論発表は自分のことで精一杯でしたが、修論発表では会場を見渡す余力がありました。
富澤先生は緊張するのであえて視線を避けましたが、学部生から指導していただいた先生方の前に立つと、感慨深いものがありました。
後ろで緊張してる同期を見て緊張し、退屈そうな後輩を見て早く発表終わらないかなと思いました。
大谷

先輩がいない中、卒論・修論を中心に大変なこともありましたが、無事に発表を終えることができて良かったです。
発表順がいつもと違い50音順でしたが、個人的には順番も前後の人もあまり大きな変化なく、いつもと同じように発表できたかなと思います。
口頭試問が終わっても、当日には開放感があまりなかったです。。(別の記事を見てほしいです
小川

富澤研の1期生としての集大成である口頭試問を無事終わることができてホッとしてます。
自分自身の発表や同期の発表を振り返ると、2年前の卒論発表会と比較して、発表の方法や質問対応が上達しているなと思いました。
この研究室で活動した3年間の思い出は、大切な宝物になりました!
小松

3年間の集大成ということで、とても緊張しましたが、無事に終われたことが1番かなって思います。
個人的には、質疑応答の時間に、視界に富澤先生の顔が映って、『あぁ、、こいつ成長したなぁ』って思いながら聴いているんだろうなあと思って、エモさを感じた発表会になりました。
馬場

研究の終わりとも言える口頭試問は、とても緊張しましたが無事終わることができてよかったです。今はとてもホッとしてます。
3年間、みんなに支えられて頑張ってこれたからこそ、当日は自信を持って答えたので、悔いなく終われました!ありがとうございます!
松浪

6年の学生生活の、3年間。
長いようで短く、短いようで短かった3年間。
学部からああでもない、こうでもない、コツコツと積んで積んで、研究室生活のすべてが集約された修論発表は、正直不完全燃焼でした。
内容をただ発表するだけではまだまだで、“伝える”発表をもっと意識しなければならないのだと、また1つ学びになりました。
吉田

執筆:M2

あとがきに寄せて...

研究室の1期生が修士論文の口頭試問を立派にやり遂げてくれました。初の修了生です。
彼ら1期生が4年生として研究室に所属したのは、2020年4月で最もコロナ禍の規制が厳しい時期。研究室に来れたのは7月に入ってからでした。
私は明治大の出身でもなく、それまでアカデミアに所属していたわけでもなく、
着任直前の数年は個人的にも研究活動はほぼ皆無でしたので、文字通り何もかもが「ゼロスタート」でした。
研究室のオープニングスタッフとして募り、修了した7名を含め計9名がゼロから研究室を築き上げてくれました。
もちろんそのような気概のある人たちを集めたわけですが、想像を遥かに超えて1期生はよくやってくれました。

実験のできる研究室にすること、実務設計に繋がる研究や建築構造から少しはみ出した幅広い研究を行うこと、学内に閉じこもらないことなど、
私の想い、時には無茶な要望にも全力で応えてくれたことに感謝しています。
やるべきことは真剣にやって、遊ぶときはしっかり遊ぶという、私の理想とする研究室運営ができたのは1期生のおかげだと思っています。
その後に続く2期生、3期生とで、次第に研究室のカラーが出てきました。

2023年の年明けは他の仕事も重なり、修士論文の添削が大幅に遅れてしまったのですが、
添削もこれで最後だなと思いながら、若者の伸び代はやはりすごいもので、卒業論文からの2年間の成長を強く感じました。
恩師からの受け売りの部分もありますが、「論文で一番大事なのは謝辞だ」とか「研究も設計も締切はあるが終わりはない」といった私の発言に
「何言ってんだ?」と思った、あるいは未だに思っているかも知れませんが、
5年後10年後に、研究室生活やこのセリフの意味するところをふと思い出してくれればと願っています。

1年間あるいは3年間という限定的な時間を共同で過ごす若者たちの成長する姿を見ていると、
何だかやけに年老いた気持ちにもなりますが、限りある時間だからこそ価値があるのだと、しみじみ感じます。

さて、想い出は尽きませんが、そろそろ締めに入ります。

ごく控えめに言って、1期生のあなたたちは最高でした。
あなたたちが巣立っていくのは正直かなり寂しいですが、喜びも一入です。
富澤研の門戸を叩いてくれてありがとう。卒業後も必ず遊びに来てください。
そして、同じ技術者として、構造や設計の仕事、あるいは人生の話をするのを次の楽しみにしています。
あなたたちが誇りに思ってくれるような研究室を目指して、あなたたちがその礎を築いた「明治大学の富澤研」をこれからも続けていきます。

2023.2.20 指導教員:富澤徹弥