釜沼サウナPJ その2 非構造部材の撤去と構造躯体の損傷確認
釜沼サウナPJは、千葉県鴨川市での伝統集落の再生や古民家改修の設計・施工を中心としたプロジェクトです。明治大学からは川島研・富澤研・光永研が参加しており、主に蔵サウナの設計・施工に取り組んでいます。
プロジェクトの詳細は、「釜沼サウナPJ その1 現地調査」をご覧ください。
2022年5月29日に釜沼を訪問し、今後の施工のため既存の蔵から非構造部材の撤去などを行いました。
今回の訪問の目的は、土壁等の非構造部材を撤去して、建物の躯体の損傷度合いをできるだけ把握できるようにすることです。
バールやハンマーを駆使し、土壁の撤去が主な作業でした。土壁の撤去では竹小舞ががっちりと組まれており、刃物が土壁に阻まれて切断するのも難しく、撤去するのにとても苦労しました。また、だんだんと暑くなってきている中、粉塵が多く舞っているためしっかりとマスクや長袖を着用しながらの作業となり、体力的に厳しかったです。
作業の結果、写真のように多くの部分がスケルトンになりました!
1階部分はほとんどの非構造部材が外れており、2階の写真手前側の屋根の下もすっきりとしました。(是非前回の写真と比べてみてください)
今回の作業により、構造部材が見えるようになったため、前回断念した構造部材の損傷度の確認も行いました。今回の訪問には富澤先生は同行していなかったため、学生のみで検討用の写真を撮影しました。前回の訪問で先生の視点を観察して、必要な写真を撮影してきたつもりでしたが、いざ大学に戻り確認してみると、撮れていない場所が多く存在していたり、写真では構造部材なのか非構造部材なのか判断できない場所があったりと力不足を感じました。
実際に木造の躯体を見ると、授業で習った部材それぞれを実体験することができて、教科書で見る何倍も頭に入ってきます。
普段の研究では対象にする機会のない木造にも、このような機会に触れることができるのがうれしいですね。
執筆:井上