「極大地震動に対するエネルギー法による鉄骨造建築物の耐震安全性評価と計算事例」が出版されました!

国立研究開発法人建築研究所より、建築研究報告として、
「極大地震動に対するエネルギー法による鉄骨造建築物の耐震安全性評価と計算事例」が出版されました。

出版物の情報は下記のURLから↓
https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/report/155/

建築研究所の指定課題「極大地震に対する鋼構造建築物の倒壊防止に関する設計・評価技術の開発(2019~2021年度)」における研究の一環として実施され、
今後、発生が懸念されている首都直下地震や巨大海溝型地震など現在の耐震基準上の想定よりも大きな地震動(極大地震動)に対する鉄骨造建築物の耐震対策として、
エネルギー法に基づく新たな評価方法を提案し、それを用いた試設計建物の計算事例を取りまとめたものです。

私は、今回は研究的な立場ではなく、(一社)日本建築構造技術者協会(JSCA)から実務者派遣として参画し、
本報告で提案されたエネルギー法による耐震安全性評価方法を用いて、8層の鉄骨造事務所ビルの試設計を行い、極大地震動に対する耐震安全性の評価計算を行いました。

第4章 計算例2)8階建て事務所ビルの設計と耐震安全性評価の計算
https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/report/155/4.pdf

※ 一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA):https://jsca.or.jp/

以下は、本出版物の成果の要約です。
本報告で提示したエネルギー法の計算方法を用いることによって、構造設計者は、入力地震動の特性やレベル、梁端部の仕様やダンパーの挿入による梁端部の損傷の変化について、地震応答解析を行わなくても、容易に把握することが可能になる。本報告で提示したエネルギー法の計算方法は、今後、発生が懸念される極大地震動に対する鉄骨造建築物の耐震安全性をより合理的に評価できるものとして期待される。

是非、ご一読いただけますと幸いです。

執筆:富澤 徹弥(教員)